2024年3月30日、38年間にわたり多くの人々に愛され続けた長寿番組「世界ふしぎ発見」が、その幕を閉じます。
終了が予告されて以来、番組の終わりについての理由や、これから始まる新たな番組についての情報は、多くの人々の関心事となりました。
久しぶりに視聴した、3月9日放送のポンペイ遺跡をテーマとした
『新発見!ポンペイの真実 元祖ミステリーハンターは古代ローマ人?』
懐かしさとともに、新たな発見の楽しさ、学びの喜び、
そして地球上での生活への感謝を改めて感じさせてくれました。
この番組を通じて、世界は身近な庭のように感じられ、
世界中の人々が友人のように思え、
私たちの先祖がどのように歴史を紡ぎ、現在につなげてきたのか、
その息吹を感じることができました。
出演者の方々からも感謝のメッセージがSNSなどで共有されていますが、
私たち視聴者からも、心からの「ありがとうございます」を伝えたいと思います。
そして、この長寿番組が持つ原点とその魅力について、改めて探求し、皆さんと共有したいと思いました。
この記事が、番組への感謝の気持ちを表現する一助となれば幸いです。
企画のキーマン、重延浩氏
重延浩氏は、広告代理店の公募に応募したことから「世界ふしぎ発見!」の物語が始まりました。
彼は「アメリカ横断ウルトラクイズ」の初期プロデュース経験を持ち、外部プロダクションがNHKに本格参入する道を切り開いた人物です。
彼の卓越した企画提案力が、この長寿番組の成功の鍵であったことは間違いありません。
(重延浩 officical website 表参道からのメッセージより引用)
プロフィール紹介
生年月日: 1941年、旧樺太豊原生まれ
経歴: 1964年、国際基督教大学卒業後、TBS入社。1970年、テレビマンユニオン設立に参加。1986年から「世界ふしぎ発見!」の企画・プロデュースを担当。
https://y-shigenobu.com/profile/
調べていくと、重延氏のプロデュース力、使命感無くしては、番組の誕生そして継続は無かったのではと感じた次第です。
それらのエピソードをいくつかご紹介します。
初期のエピソード1: 出演者交渉編
番組成功の鍵を握ったのは、名司会者として番組の顔となった草野仁氏、そして出演者の黒柳徹子氏との交渉だろう。
特に、黒柳とのやり取りは、注目すべきものだった。
戦時中小学校時代を過ごされた黒柳さんは、歴史の教科書を真っ黒に消された物であったと言います。彼女への出演交渉の際の返事は、以下であった。
(補足:「終戦に伴ふ教科書図書取扱方に関する件」に基づき、GHQが不適切と判断したものは書き換えられるか、墨塗りされた。)
「私は歴史をしっかり勉強したい。だからどこの国をテーマにするか、どの人物をテーマにするかは教えてください。それをきっかけに勉強します。それなら……」。
という彼女の話に、重延氏の企画チームは方針を変えたとのこと。
出演者にはその週のテーマを教えることにし、その代わり、勉強をされてもそう簡単にはわからないアンサーを考えようと。
出演交渉を通じて、その障害を逆にチャンスとして、彼女も、企画も、さらに活かす判断を瞬時に行った。
このエピソードには、番組がどのようにしてその独自の形を生み出し、進化し続けていった根本姿勢を見出すことができます。
初期のエピソード2: 放送後の低視聴率対応編
重延氏の企画立案力、出演者交渉力に基づいて、放送局、スポンサーの理解も得て、華々しく始まった番組。初回は、第1回は古代エジプト文明を主題に。
しかし、視聴率は、1回目6.6%、2回目5.6%、そして3回目は3.5%と無残な結果に。
週刊誌では「プロデューサーは間もなく首になるだろう」と報じられる中、スポンサー報告に行った先で、責任者から伝えられた言葉は、
「君が自分のプランを正しいと思うなら、そのままやると良い」。
そして番組は蘇ったと、氏は言います。
初期の低視聴率に直面した際、プロデューサーとしての立場が危うくなったと感じた重延氏。しかし、スポンサー責任者との信頼に基づく対話を通じて、番組は軌道修正を果たします。このエピソードは、信頼される人間関係の構築がいかに重要か、そして重延氏の人間力がそれを物語っています。
視聴率からの気づき
当初、クイズを出題するミステリーハンターは、なんでも知っている立ち位置からの教える目線で演出されていました。
しかし、この一連の出来事より、まったく逆の姿勢へと転向させたのでした。
・決してミステリーハンターが視聴者に教えるような態度をとってはならない。
・ミステリーハンターは視聴者の代表である。
・視聴者と一緒に旅をすること。
・現地で知った情報を謙虚に伝える姿勢を持つこと。
・お年寄りや子どもの取材では目線の高さを同じにし、跪いて取材する。
これがこの番組の原則!
ミステリーハンターの役割と立ち位置の再考から、番組は非常に視聴者に親しみやすく、共感を呼びました。
ここにもまた、氏の学びの姿勢と、即座に方針を変更していく柔軟さを見出すことができます。
この変化は、番組が教育的な価値を保ちつつ、そしてエンターテインメント性を持ち、さらに同時に視聴者に参加意識、自分事として観てもらう関わり方を生み出していったとも言えます。
現在ではSNSも発達し、参加意識、共感マーケティングも当たり前となっていますが、当時としては画期的であり、勇気ある決断だったのだと思います。
重延氏の言葉から
継続の秘訣
継続の秘訣、そのままを語っている言葉がありました。
「チーム全員が同じ思いで制作すること」
「1年目からいたスタッフが10名、昔のままに働いている」
(2018年の東洋経済社インタビュー記事より)
https://toyokeizai.net/articles/-/236169?page=3
しかし、その33年(2018年時点にて)を同じ思いで現場をまとめていけること自体がすごいです。
そこに、リーダーシップなり、明確な目的が存在し、それを伝えていたからこそ、
そこに共鳴するスタッフ陣が集い、強力なコアメンバーが育ったのだと思います。
スタッフ10名に、出演者は含まれているのか不明ですが、
初回からずっと一緒に歩まれてきた司会の草野仁さん、黒柳徹子さん、野々村真さんなどの
出演陣との心の絆もまさにその使命感への共鳴なのでしょう。
最高の目的とは
—ここから(同2018年の東洋経済社インタビュー記事より)—
クイズ番組「世界ふしぎ発見!」の最高の目的は視聴率ではない。
この番組で私たちの、そして提供企業、放送局の独創的なメッセージを社会に発信することであると思っている。
それを多くの人々に見てもらいたい。それがテレビ制作者の使命である。
—ここまで—
この理念は、番組制作の根底に流れる使命感を現わしています。
まとめ: 「世界ふしぎ発見!」の成功の秘訣
「世界ふしぎ発見!」が38年間もの長きにわたり、レジェンド・オブ・クイズ番組として愛され続けた背後には、以下のような重要な要素がありました。
柔軟性と素直さ
番組は、時代や視聴者のニーズの変化に応じて柔軟に、そして素直に方針を変更する姿勢を持っていました。この開かれた姿勢が、番組を常に新鮮で魅力的なものに保ちました。
信頼関係の構築
番組制作チームと出演者、スポンサー、そして何よりも視聴者との間に築かれた深い信頼関係が、番組の基盤を強固なものにしました。
共通の目的に向かう情熱
制作スタッフ一人ひとりが、番組の理念と目的に共感し、一致団結して制作活動に取り組んできたことが、その長寿を支える大きな力となりました。
プロデューサーの使命感
重延浩氏をはじめとするプロデューサーたちの強い使命感とリーダーシップが、困難な時期も乗り越え、番組を継続させる原動力となりました。
人間愛の流れ
番組全体を貫く人間愛という根底の流れが、視聴者に温かいメッセージを届け、多くの人々の心に響いたのではないでしょうか。
レギュラー番組としては終了しますが、特番としてこれからも多くのメッセージを発信され続けられることと思います。
参考情報
最終回いよいよ
2024年3月30日 よる7時から放送
第1702回
レギュラー最終回38年のありがとう
40000時間から厳選
ふしぎ発見!ベストワン映像 一挙大公開スペシャル
参考
・見逃し配信も
https://www.tbs.co.jp/f-hakken/
バックナンバーが文字配信概要で観れます!2011年2月~
世界・ふしぎ発見! 感謝を込めて 美点発見※
- 世界の情報に触れられる
- クイズ形式
- 楽しい
- 分かりやすい
- ミステリーハンターさん体験体当たり
- 38年の長寿番組
- 1回も再放送無い
- 出演者の魅力
- 草野仁さん
- 黒柳徹子さん
- 野々村真さん、、ほかの皆さん
- 日立グループの単独スポンサー
- 家族で楽しめる番組
- 過去放送が無料視れる!バンクナンバー
- 仁くん人形かわいい、ゴールドは2倍
- ポイント制の回答者順位競争:ゲーム性のおもしろさ
- 信頼
- 多くのミステリーハンター育てた
- 放送回数 1702回(最終回2024/3/31含む)
- 38年って、本当にすごい(2世代にわたって・・・
- そんな番組を育てたTBSすごい、すばらしい
- 単独スポンサーの意図、CMに現れる世界観
- 共に育つ
- 地球上みんなお友達
- 人間愛
- 人類の歴史の興味
- 長所発見
- 人間愛
※美点発見とは・・・本人でさえ気がつかない「真の長所や素晴らしい部分」を引き出し、それを伝え合うことで自尊心を高め、最高の人間関係を構築する方法です。実際に一部の学校で実践したところ、不登校やいじめがなくなったという報告が続発。実践と「ANAで起こった奇跡」