「アンチヒーロー」最終回へ、大逆転のカギ、4名の脚本家の練り上げた結末。証拠は消せても真実は消えない。（ネタバレ含）

写真：出典「アンチヒーロー」公式サイトより

こんにちは、tsubasaです。

TBS系日曜劇場「アンチヒーロー」（午後9時）
アンチヒーロー主役の弁護士・明墨正樹（長谷川博己）と、東京地検検事正・伊達原（野村萬斎）の因縁の対決が、いままさに決着をつけようとしています。

この物語は、司法組織を舞台にしたオリジナルの物語です。
キャッチコピーは、理性を揺るがせる刺激的なセリフからとられています。
「殺人犯へ、あなたを無罪にして差し上げます」

無罪の証拠を探して依頼人を助ける救世主ではなく、
犯罪者である証拠が100％そろっていても無罪を勝ち取る主人公の弁護士・明墨正樹を長谷川博己が演じる。・・・とも。（アンチヒーロー公式hpより）

ここだけ読むと、そんなドラマが成立してよいのだろうか！？
と憤りを感じたり、不安や恐怖でドラマを見る気がしなくなってしまう方もいらっしゃったかもしれません。そのぐらいセンセーショナルなキャッチコピーに感じました。

しかし、安心してください。
このドラマの真のテーマについても、公式ＨＰで掲載されています。

一話完結ではないので、ちょっとだけ見るだけでは、少し難しく感じますが、
ひとつずつの事件簿とその背景の点が、次第に線となり、面となる展開は、気が付くとグイグイ引き込まれてしまいます。

また4名のチームで脚本を練り込まれているからでしょうか、
その設定や、見せ方に緻密さと奥深さがあり、視聴者の方々の謎解き、考察にも熱が入り、
ドラマと同時に、ほかの視聴者の方々がどのように観ているかを知ると、楽しみ方が倍増するようです。
実際に番組側も、放送前に、登場人物の名前すら公開せず、出演者陣にも情報統制をとるという、謎解きの面白みを一段と引き立たせた演出から始まっています。

さぁ、あと残り2話。（第9話終え追記しました。いよいよ最終回です！）
いろいろな角度から思いっきり楽しみぬいて、
さらにドラマの真のテーマ
「正義の反対は、本当に悪なのだろうか･･･？」

正義とは果たして何なのか？
世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか？

にどっぷり浸かってまいりましょう。

ここまでのあらすじ　第1話～第8話

ここでは超ざっくり紹介します。
・弁護士・明墨正樹は、元検事。伊達原と共に仕事をしていた。
・12年前の検事時代、明墨は、糸井一家殺人事件の容疑者として、志水裕策を自供に追い込んだ。
・しかし、6年後、検事の元同僚であった桃瀬礼子に、志水の冤罪を晴らして欲しいと頼まれる。
・桃瀬は重病で調査ファイルと意思を明墨に託し亡くなる。
・明墨は、検察の立場では解決できないと分かり、退職し、自ら弁護士事務所を設立。
・当初よりこの弁護士事務所は、桃瀬との約束を果たすために、また自らの志水への懺悔の想いで設立したが、所員でそのことを知る人は少なかった。
・明墨のスカウトで集まった所員たちで、取り組む事件簿は、その背後に検事正・伊達原が関わる案件であった。
・検察という犯罪を立証するという正義の立場。であるはずの伊達原には、背後に深い闇。
・明墨は、志水の冤罪を晴らすための協力な証拠となる映像データを収集しようと画策していた。

証拠は消せても真実は消えない

第8話では、明墨たちは、志水のアリバイとなる盗撮動画のデータの回収に動きますが、
伊達原率いる検察側に、完全に裏をかかれて先を越されてしまいます。

あのホテルでの交渉シーンから、一転して、検察側の罠に誘い込まれていたことを気づかされた場面には圧倒されましたね。
ホテルラウンジに座っていたお客さん、老若男女すべてが検察側の人間で、合図ひとつで全員退室していく姿は、東京地方検察庁の権力の凄まじさを見せつけている感じがしました。

さらに、回収されたデータを破壊し踏みつけている伊達原の異常な姿を描いています。
その姿を見続ける、検事、緑川歩佳（木村佳乃）も、明墨と元同僚なのでしょうか。

さてそのデータですが、
・他に、コピーが存在しないのか？
・また破壊はされたものの、内部のデータDISKは割れていなかったから復元できるのでは？

などの声もあるようですが、
ここでは、この線の可能性は、消えたとみることにしましょう。

脚本家たちを率いる飯田プロデューサーによれば、

「8話で志水の無罪につながる証拠が完全に消されてしまった明墨（長谷川さん）たちですが、可能性を信じて行動します」とのこと。
引用：前出Yahooニュース6/7(金)
＜アンチヒーロー＞飯田Pが明かす、ラスト2話　「隠された謎、裏切り、どんでん返しが待っています」

最終回へ、大逆転のカギ

と、飯田プロデューサーがヒントをくださっていますので、それに沿ってみてみましょう。

・6年越しの桃瀬との『約束』・・・病床からもらった手紙。あて名は「明墨くんへ」
無罪を証明される瞬間を、明墨君と一緒にみたかった。の文字に涙の滴った跡。
愛する人と交わした約束。

・受け継がれた『意思』・・・桃瀬の独自に調査した事件ファイル。
保護犬の家わんはっぴーのボランティアスタッフとして働いていた。
そこには、志水の娘、紗耶（近藤華）がいます。
桃瀬も元検事だったのですから、この冤罪調査のために、紗耶をささえようとしていた。（第9話で明らかにされました）
ファイル、沙耶への意思は、明墨に引き継がれた。
＞第9話にて追記
・桃瀬の実家に残っていた事件調査の資料を、桃瀬の母親から、赤嶺が受け取った。
・そして、これまで取っておいた桃瀬の日記帳も、合わせて渡した。

・・・志水の取り調べ記録
・警察の取り調べの供述が、その後の毒物の症状と異なっていた。
・桃瀬の調査資料の毒物症状のチェックと合致。

・そしてそこに集まった仲間の『絆』・・・今、明墨法律事務所に集った仲間

集まった・・・
１．最初から集められた
・弁護士　　　　紫ノ宮飛鳥
・パラリーガル　白木凛（第9話で、伊達原に、緋山の作業着を持ち込み裏切り）
・パラリーガル　青山憲治

２．途中から集まった
・弁護士　　　　赤嶺柊斗
・殺人容疑被告となるも無罪判決。冤罪証明協力後、自首予定。緋山啓太

３．最後に集った
・志水の娘、紗耶

・・・いや、まだ最後に集まってい来る人がいるはず。
また一方で、上記の中、だれかの裏切り？があるのか・・・。

「隠された謎、裏切り、どんでん返しが待っている」と飯田プロデューサーは語る。

＞第9話にて追記
隠された謎・・・　毒物種類の隠蔽。
裏切り・・・　白木凛の裏切りとなりました。第9話エンディング
「もう、わたしは用済みです」の意味とは？
どんでん返し・・・さぁ、最終回、どんでん返しが起こります！

4名の脚本家の練り上げた結末

今回、日本のドラマ界ではまだなじみの薄い、複数の脚本家チームでの制作とのこと。
－－－－－－－
プロデューサーの飯田和孝のX（旧Twitter）によると、
本作は4人の脚本家で70ページほどの全話のアウトラインを作り、
そこから脚本を起こしていったという。

そして1話と2話は全員で練り、3～5話は担当制にして執筆。
そこから全員でまた練り上げ統一感を加えて行くという流れで全体のクオリティを上げていったという。
－－－－－－－
引用：yahooニュース5/26（日曜劇場に新風を吹き込んだ『アンチヒーロー』　4人の脚本家体制は日本のドラマを変える？）

4名の脚本家

脚本家には山本奈奈、李正美、宮本勇人、福田哲平の合計4名。
他作品でチームを組んだこともあるメンバーもおり、より洗練された脚本家チームとなっている様子。
このチームを取りまとめているのが飯田プロデューサーという位置関係のようです。

考えられる、望まれる結末

さて、気になるのは、大逆転の後に、収まる最終結末ではないでしょうか。
ドラマのテーマは、分かりました。

「正義の反対は、本当に悪なのだろうか･･･？」

ここに深ーく迫ってくる結末とは、どのようなものでしょうか。
仮にデータまたはそれに代わる物証実証が現れたとして、志水の冤罪を晴らし、無罪にできたとします。
明墨の自身への懺悔、桃瀬との約束の成就、弔いが完結する。

しかし、ドラマとして、結末はこの状態だけでは収まる訳がないですよね。

緋山の殺人事件に対して、自首をする。⇒　本当に、生山自身が殺したのか・・・
第2話の証拠で、室内の指紋、爪に残った肉片のDNAのこと、
DNA鑑定すれば誰か分かるはずだが、証拠隠滅。
血痕のついた作業着の真実は？
緋山と佐藤に、共通の入れ墨？

紫宮と父との関係。冤罪が晴れるとは、父の偽証と向かいあうことになる。
白木の入社目的。先生は忘れちゃったかなぁ・・・の真意は、
赤城の入社の背景は？
伊達原のバックに在る政治家？・・・な存在たち。そのまま手付かずで良しとするのか。
世の中への提言として、どのような結末をつくるのか。

まとめ

「アンチヒーロー」最終回へ、大逆転のカギ、4名の脚本家の練り上げた結末。
証拠は消せても真実は消えないのまとめ。

・証拠は消せても真実は消えない。
決してあきらめない姿。頭脳と技を、どこに使っていくのか。
検事vs弁護士の対決から魅せられています。

・最終回へ、大逆転のカギは、
6年越しの桃瀬との『約束』、受け継がれた『意思』、そしてそこに集まった仲間の『絆』
とは、飯田プロデューサーの言葉ですが、奥に「愛」がつながっていると感じました。

・4名の脚本家の練り上げた結末。
やはり一番気になるのは、伊達原たちの正義を司る機関のその後ではないでしょうか。
バックに在る政治家？その仕組みがそのままであれば、第二の志水が間違いなく生まれてします。
ドラマの中で、その解決策までは、見せられなくても、その方向性を、世の中への提言として、どのような結末をつくるのか。そこを注目していきたいと思います。

最後に、飯田プロデューサーの言葉をもう一度。

「よーくご覧ください、そうすると、最終回の大逆転のカギに気づいていただけると思います。・・・（後略）」

ですって、はい！よーく観ます。
また9話放映後、考察、感想など追記させていただきます。（追記しました6/12）
最後までお読みいただき、ありがとうございます。

第9話（6月9日放送）「Episode9 -約束-」

「愛する人と交わした『約束』」「託された“正義”と“裏切り”」

第9話も、みどころいっぱいで、あっという間の1時間。
赤嶺、紫ノ宮の奮闘。基本に返って粘り強さ。
信頼から得られるもの。
明墨は、紗耶へ告白。
紗耶からの願いで志水への面会の場をつくる。
娘を想っての判断を、「私の幸せは私が決める！・・・寂しかったよぉ」と娘から伝えられた言葉に、かたくなだった心がさらに解け、
志水から、取り調べを受けているときの記録日誌を受け取り、
赤嶺は、桃瀬の母を訪ね、母から娘を信じて応援し続けてくれる仲間が増えていることに感激してもらい、桃瀬の調査資料の残りと日記を受け取りました。

それらの点がひとつになり、糸井一家殺人事件の毒物種類の改ざん疑いにたどり着きます。

明墨と桃瀬の生前のエピソード。
ドッグトレーナーのようにもみえた桃瀬は、弁護士をしながら活動していたその背景。
手渡された資料と思いがあらためて感じられた第9話でした。

ラストシーンには、明墨の逮捕と、「白木っーー」と叫んでしまう衝撃シーン。
でも、パトカーに乗り込む手前の、明墨の赤嶺と紫ノ宮へのセリフ
「あとは頼んだぞ」には、すべて見通して、予定通りの感も臭いました。
みなさんは、いかがでしたか？

ということで、いよいよ、今週末6月16日最終回です。
「Episode10 -正義-」
「ついに完結！　全ての真相解明！！　
死刑囚の無罪は証明されるのか！？　そして、それぞれの未来へ―」
（25分拡大放送版）

予告編映像から
・明墨が被告人として、証言台へ。
予告PVの最後のメッセージは、「共に地獄に落ちましょう」

・赤嶺と紫ノ宮が弁護側で頼もしく見えた。

・紫ノ宮が、弁護側の席と、傍聴席？に座っている2カットがあった。
紫ノ宮の座って聞いている裁判はなに？
よく見るとスーツの襟の有無で別衣装です。
当たり前でしょうが、裁判中に弁護席から傍聴席へ移動することはないでしょうから、別日の他の裁判の傍聴ですね。涙ぐんでいるようにも見えました。

・マスコミに記者会見している男性の後ろ姿が、紫ノ宮の父、倉田に見えた。
倉田らしき人物が、上司の前で頭を下げている姿が映った。
過去映像か？　それとも獄中から告白を決断した後、その時間を与えられたのか？
第9話で父娘の会話が実現され、自身の行ったことへの正義への道を歩みだしたのか。

・緑川が、伊達原と同じ検察側にいる。また調書の発言をしているシーンも見えた。
桃瀬と同期と思われ、すでにその情報にも触れているからこその、お墓にお参りした緑川が、そのまま伊達原の行いをそのままにするはずはない。と思うのだが。
第8話での、伊達原への表情と、第9話での彼への表情に、真逆の印象をもったのは、気のせいか。逆に、その先の展開を踏まえて覚悟を持てたからこそのあの微笑みだったのでは。
検察側に立ち、伊達原の横で、桃瀬の想いに応え、明墨を手助けする役割を担えるのか。
検察側から、証言台、傍聴席のほうへ視線を移す緑川の先に見えているものはなにか？
緑川の正義はいかに。

・第9話で裏切り物として描かれた白木。
明墨の証言を傍聴席で聞いている姿が映っています。
さらに予告編のなかで、証言台に立ち証言している姿。
衣装からは分かりにくかったですが、すぐ後ろの傍聴席の顔ぶれから、これは明らかに別裁判です。なにを証言しているのでしょうか。
持ち込んだ、緋山の作業服の件？
それとも、緋山の闇バイト、ストーカー時代、志水の冤罪を晴らすアリバイになる盗撮映像の被害だったとか？

飯田プロデューサーの「よーく見てください」の言葉が、何処に掛かっているのかきになるところですが、白木の髪を下ろした姿、白い出で立ちは、盗撮映像の女性に被ります。
なぜ盗撮されたのか？　その背景に、江越、伊達原の役職を引き上げた陰の存在にもつながりますよね。
　全ての真相解明！！と、うたってますので、ここにもメスが入るのでは。

・伊達原が、いつもの怪しい表情をうかべ、書類を燃やしている！
何の書類だぁーーー！

・25分拡大枠で、本当に、全ての真相解明がなされるのか！？
これまでのこれまでのテンポ良い展開で、確かにすべての伏線、謎、真実が明らかになると想像するだけで、めまいが・・・（笑
すごい作品ですね。
最終回の視聴前に、改めて敬意をお伝えしたいと思います。

明墨のセリフ
「共に地獄に落ちましょう」
に、深いメッセージを感じました。

時代を作ってきた先人が、自らの過ちを認め、次の時代の扉を開く。
その時気が付かなくとも、いろいろな事情、感情があったことも、
その時、その立場で、正義と思って行ったことも、それも認めて次に行く。
行った者の責任として、過ちを認めること。
それは地獄に落ちることかもしれない。
しかし、失うものが何もなければ何も恐れることはない。
あなたにとって一番大切なもの、それは何ですか？

どれだけ社会システムが整おうとも、整えようとも、
最後は、人、ひとりひとりの生き方が、未来を創る。
という、メッセージにつながっていくのでしょうか（妄想です。）

しかし、それぞれの未来、とまで表現しようとして、本当に拡大25分で収まるのか。
続きは、映画館で！　なんてあったら、うれしいですね。

では第10話予告編も、下記に掲載しておきます。

第10話（6月16日放送）「Episode10 -正義-」

「最後の判決が下る」

「ついに完結！　全ての真相解明！！　
死刑囚の無罪は証明されるのか！？　そして、それぞれの未来へ―」

明墨（長谷川博己）を証拠隠滅罪に問う裁判が始まる。

担当検事は伊達原（野村萬斎）。法廷で因縁の対決が繰り広げられる。
12年前の事件、志水（緒形直人）の冤罪は証明されるのか…。

正義とは何か？アンチヒーローの結末は？
すべての真相が明かされる！！
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最新話は、
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見逃しまたは、過去回見直し！
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