こんにちはtsubasaです。
テレビ朝日、春ドラマ、木曜夜9時
『Believe -君にかける橋-』が、6/20(木、最終話の放送となりました。
すばらしいドラマでした。
まずは冒頭で、制作、提供にかかわられた皆様に、お礼を申し上げます。
(※以下、最終回のネタバレ含みます。未視聴の方は、ご注意ください。)
テレビ朝日開局65周年のヒューマンドラマ。
最終話の伏線回収展開のスピード感、また出演者陣、演出も素晴らしく、
リアタイで視聴した際には、エンディングに引き込まれて、
陸と玲子の、心の橋を主題歌『 I’ll be there 』=「わたしはそこにいる」に感じて熱いものが溢れてきて・・・、あっという間でした。
後日、2度目を視聴して、
第7話直前に、感じていたことが、改めて受け取れました。
利権のために真実を隠蔽。
ここまで書くと、テレビ朝日さんが
開局65周年を記念して放送する内容とは思えませんよね。
しかも、脚本家は、あの井上由美子氏のオリジナルストーリです。
これは、間違いなく、終盤の展開は、深いメッセージを込めた展開となると思います。
出典:『Believe-君にかける橋-』第7話予告時点、状況整理、2人の黒幕。狩山陸(木村拓哉)の敵と味方は?(ネタバレ含)
最終回、あらすじ
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『Believe−君にかける橋−』
第8話をご視聴いただき
ありがとうございました💫
\\最終話は6月20日(木)よる9時!
拡大スペシャルでお届けします💨
お見逃しなく👀#木村拓哉#竹内涼真 #山本舞香 #一ノ瀬颯#北大路欣也 #上川隆也#斎藤工#小日向文世#天海祐希 #びりーぶ… pic.twitter.com/EXXtmG6IUg— 木曜ドラマ『Believe-君にかける橋-』【テレビ朝日公式】 (@believe_tvasahi) June 13, 2024
どうしても、もう一度見たいと、2度目の視聴をしたのは、
真犯人というか、黒幕の存在が、はっきりしないという処でした。
橋崩落の崩落の直接原因は、分かった。
誰が何をしたのか、その指図を誰がどのように手配したのか。
それも分かった。
そして、その事の発端はなんだったのか。
一応、陸のたどり着いた仮説を、磯田社長に語るシーンで、視聴者に伝えてくれました。
磯田社長は、yes/noで答えず、
「帝和建設の龍神大橋建設工事の再開のなぜ?」を問いかけることで回答する。
という描かれ方でした。
脚本家の意図したことは、なんだろう?
描かないことで描く。
ということなのか!と感じた次第です。
ですので、何を描かないことで、伝えてくれようとしたのか、
以下考察していきます。
(あくまで個人の妄想として、お楽しみくださいませ)
脚本家の意図した、描かないことで描いたこと(妄想です)
帝和建設社長 磯田典孝(65歳)
故意の事故計画を知っていた。
というよりも、計画した張本人であったことが明かされます。
そして、工事再開を条件に、磯田社長は事故の責任を自ら背負った。
狩山の無罪判決後、代わりに業務上過失致死傷等の罪で逮捕されました。
彼は言います。
「日本の大企業をつぶしてはいけない。それが再建屋の私の信念」と
それに対して面会席に座る陸は、
「犠牲の上に立つものは信念じゃない」と真っ向否定。
磯田は、陸に任せたことを悔い、そして夢を語る彼に嫉妬していたと返します。
「狩山君、働くことは夢を捨てること。
私は君にそのことを思い知らせたかったのかもしれない」
→まず、磯田社長が、会社ぐるみのそのような企てをしたことが明るみに出て
会社が社会の批判にさらされず済むのか? という点ですが、
一度出た判決は基本的に覆されない。という点から見ると、
事件というよりは、事故の再調査で、その責任者が工事担当者ではなく、社長となったという流れです。
狩山の裁判の際に、不利な証言が並んだということから、すでに権力側の手が及んでいた訳ですから、今回は、事件として蒸し返すのではなく、あくまでも事故の責任者再調査として行われたのでしょう。
第211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、
5年 以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
これに基づき、狩山が1年6ケ月の刑となり、
その対象者が身代わりであったため、磯田社長がその刑期を受けることとなった。
帝和建設の立て直しのために登用された磯部は、本人の信念の元、
会社を、社員を、都知事を、都政を、大きくは国体を守った。と考えている。
そしてそれは、自分の本心を殺し、夢を捨てることをしてこそ成し遂げることが出来る。
夢を語るものに、問う。
それは、どこまで知り、どこまでの覚悟をして語っているのか?
秋澤良人・弁護士(42歳)
狩山の弁護人としては、狩山から解約されてしまった。
しかし、本人は、まだ狩山の弁護人だと発言している。
もともと帝和建設の顧問弁護士ではなく、どの経緯で狩山の弁護に携わったかは不明でした。
帝和建設社長、磯部との関係性で、その素性が徐々にあぶりだされてきました。
そして、狩山の無罪を証明するための証拠が出そろったところで、磯田へ対立姿勢を示します。
その時、磯田が放った言葉がきっかけとなり、
秋澤は、狩山の信頼を再度勝ち取り、自身のトラウマをも解消、裁判も勝利していきます。
個人の衝動的発言、行動のもたらすもの。
それが必ずしも、自分の責任なのか、その行動をとったのはその人自身である。
しかし、秋澤は自らの発言が招きかねない不測の事態を極端に恐れ、いつもハンカチで冷や汗をぬぐっていたのでした。
→秋澤は、弁護士としての過去を隠していたが、磯部からの一言で踏ん切りがついた。
向かい合おうとする陸の姿に、心打たれた。
自らの過去から逃げないと選択した秋澤は、自らの信念の元行動し続けた。
利益相反になるかと思っていましたが、
事実が明らかになるまでは、狩山陸は、帝和建設の社員であるため、
「狩山陸を守ること=帝和建設・磯田社長を守る」だから相反にはならなかったんですね。
誰にでも、人に気軽に話せない失敗はある。
時にそれは、トラウマとなり自分を苦しめる。
しかし、それを乗り越えるには、行動しかない。
林区長(59歳)
狩山の橋崩落についての無罪が決まった後、面会に行く。
「なぜ自分のことを証言しなかった?」と狩山に聞いた。
陸は、刑務所脱獄のチャンスを作った「理由が分からなかったから」と答える。
それに答える林は、過去の冤罪被害者家族から放火を受けたことと、その
金が欲しかったらからと回答。
榛名から支持された際にも、理由を聞くも、「聞いてどうする?」と断られている関係性は、
放火された事件時、法務大臣に榛名が在職しており、恩義を受けた関係性であった。
「私がしたことがすべて正しかったとは思っていない。裁きは覚悟の上だ。」
そして、刑務所内で一緒した冤罪の可能性のある野口の相談を頼むと、
「一度くらい太陽に近づいてみたい」と答える。
→ 職務を退官された林区長の人生は、これまで、いわば人を疑い続けた人生でした。
林自身も、それが本来だとは、心の底からは思っていなかったのでしょう。
しかし職務上、世の中より、それが求められ、職務を全うするプライド高き人。
狩山に答えた『太陽』とは、なんでしょう?
例えるなら、疑う(闇)⇔信じる(太陽)でしょうか。
陸の、あくまで「信じる」思考、行動に、あこがれ、本当の心が動いた瞬間だったのではないかと感じました。
黒木正興(34歳)
警察組織のなかでは浮いてしまっている。
狩山の捜査からは外されている。
現在、銀行員の三島和也を追っている。半田弥生の元交際相手(大学の2年先輩)
狩山の再逮捕のあと、警察での事情聴取後、刑務所移送前に、1分だけ面会を許されます。
半田の件の容疑者逮捕を伝え、
さらに、黒木の上司(白石)が狩山に証言を押さえさせようとしていることに対して
「いいか、騙されるな!
この人はあんたをエサにして、上に恩を売りたいだけなんだよ!」
と助言。
狂ったような笑いが、作り物なのか本物なのか、これまでも引き込まれてきましたが、
国家権力にも辞さない姿勢を最後に見せます。
「できれば、あんたに捕まえてほしかった」の狩山の言葉は、
黒木との信頼関係を強く現していました。
→ 結局、黒木が警察を志した背景は描かれていませんでした。
黒木の上司・白石は、狩山の証言を止めさせようとして、脅す、交渉ともとれる発言には、
得も知れぬ国家権力の存在を示唆していました。
自分の処遇は顧みず、狩山への助言をした黒木。
それは自らの信念のもとに、何物も恐れず行動する姿。
黒い木 と 白い石 と、名前にも相対を表現することで、
この対局する二つの生き方を描かれていたのですね。
自分は黒、白いずれの生き方なのでしょうか。はたまた、灰色なのか・・・。
南雲大樹の婚約者・本宮絵里奈(25歳)
職場の上司である狩山のせいと恨みつつ、南雲を看病中。
南雲からの告白を聞き、狩山の妻、玲子へ重要なことを伝えたいと電話するもつながらず。
その伝えたかった内容とは、南雲大樹が狩山から預かった無実証拠データをコピーしていたのだ。
愛する婚約者がひた隠しにする写真アルバムとデータ。
本来は決してしてはいけないことと分かっていても、
愛する彼の浮気相手のことかもと、持ち出し、自身のPCへコピーを取る。
しかし、パスワードロックがかかっており、見れず、何が入っているのか分からず仕舞い。
かといって、南雲に聞くわけにはいかない。疑っていたこと、内緒で持ち出したこと、言えなかった。
と、告白して、玲子へ、重要書類のデータが届くのであった。
→愛する人と、共に生きたい。純粋な気持ち。ただそれだけ。
そしてそこに、信じることと、疑うことが同居する。
道徳的に善しとされないことが、結果的に、真実を導き、無実の罪から救い出すことになった。
玲子に告白し、もちろん裁判前には、南雲にも告白したでしょうね。
その後、南雲と結ばれたのでしょうか。きっと・・・ですよね。
狩山の脱獄容疑の裁判の際は、南雲は既に退院して、並んで座り傍聴していました。
南雲大樹(32歳)
秋澤とのやりとりで階段から足を踏み外し入院、意識不明を装っていたが、
SSDの廃棄処分の話に極度に反応し、事実を話はじめる。
若松へ帝和建設からお金を渡す役を担っていた。
故意の事故計画も、後日にだが、分かっていた。
尊敬する狩山部長を裏切ってしまったことへのうしろめたさ。
退院後、すぐに会社に駆けつけ、磯田社長、常務へ、退社の意向を伝える。
→ 30代、大卒なら仕事について8年。
社会人として、正しさとは、その会社の上司から仕事を通じて教わるものでしょう。
素直であれば、素直であるほど、会社に染まっていきます。
別の言い方をすれば、職務を全うすることであり、誇らしい姿です。
しかし、一旦自分の本心との間に生じた、迷い、不信感、それは消すことはできない。
お世話になった場所、人に決別を決断する。
自分のことだけを考えている自分勝手ではないのか?
これだけ世話になって、恩返し出来ていないのではないか?
純粋で素直な南雲は、気が付いたら、自分の歩みたい人生ではない選択をしてしまっていた。
その時、あなたなら、どうする!?
東京都知事 榛名文江(60歳くらい?・磯田の後輩だから)
最終回で描かれたのは、磯田社長との対談シーン。
都庁の応接室だったのでしょうか?
これまで土下座のお願い姿勢だった磯田が、「すべての舵をにぎっている」という強い交渉姿勢が印象的でした。
・東京都の工事計画のずさんさを指摘される?
・黒鉄島再開発の住民からの声を恐れて、苦渋の決断?
・工期を遅らせることで、東京都へ向かう批判をかわし、工事業者の資金体制を補強し、工事再開へ。
・磯田社長が、後輩である都知事に申し出る形で案を出した?
・都知事が退陣に追い込まれると、工事の見直しなど、帝和建設の存続にも関わる?
・一蓮托生の思いで社長が決断。都知事は暗黙の承認?
・しかし、実際に事故が起こったことで、若松がそうであったように、その自体の重大さに気付く。
・榛名都知事は、帝和建設との縁を切りたいと考えるようになった。
・ちょうど、刑務所で、狩山の素行を聞いた。
・狩山を脱獄させて、会社を訴えさせれば、単純に帝和建設内の事件となり、縁が切れると考えた?
・看守長の林には、法務大臣のときに支えた縁があったから、頼みやすかった?
(林は、お金が欲しかった。自分の罪滅ぼしのために)
→ 都庁の応接室の榛名知事の後ろに掲げてあった書にはなんと書かれていたか。
『一得一失』(いっとくいっしつ)
※一方で利益があると、他方で損失があること。利益と損失がともにある例え。
この書が実際の応接室に掲げてある組織があるのか? とも思いましたが、
やはり脚本家、演出のなかで、伝えたい何かだったのでしょう。
伏線回収と、巨大組織だからこその忖度が生んだ事故であり、事件と捉えるべきなのか。
榛名都知事が、磯田社長の案を止めていれば、起こらなかった事故。
一応ドラマ上、黒幕は、この2人だったということになるようですが・・・。
坂東社長のセリフにあった、川下の者がすべてを被って、現政権を守ったという筋立てになります。
そして磯田社長は、後輩の都知事と、8000名の社員と、国造成機能としてのゼネコンを守ったと。
大きな混乱は、国力を落とします。
ここが、『一得一失』に掛かってくるのでしょうか。
大きな目的のために、成しえることが利益を生み、同時に損失も生む。
逆を言えば、損失を厭わむと、利益を生み出すこと、目的を達することはできない。
大きな目的・・・これが大事ですよね。
あくまでドラマですが、やはり振り返ると、榛名都知事の裁量ひとつで、
別の展開が迎えられたのではないかと思いました。
しかし、そんなことは、その立場になってみなければ分らないことだらけですし、
もし、あなたが榛名都知事の立場だったら、どう行動したでしょうか。
狩山玲子(53歳)
狩山陸の妻。夫、陸の無実証明と身の安全を願う。
玲子は先に旅立つ。
いってらっしゃい。
わたしは、いつでもそこ(あなたの心に)にいる。(主題歌タイトル『I’ll be there』の意味)
→この妻の存在は、大きいですよね。
人生の伴侶。
大きな選択肢を迫られたとき、どんな場面でも自分を認めてくれる存在。
信じ合える関係性という存在。
二つの心に橋をかけるのは、自分にしかできない。
狩山陸(50歳)
脱獄の裁判判決で、橋崩落事故の再調査が明言され、その次のシーンは、
静岡中央刑務所に、面会に向かった狩山の姿。
そしてその真逆の立場で、受刑者として磯部が現れます。
狩山は、事故の再審で、磯部が関与を認めてくれたことのお礼を言います。
そして
「かつては自分の造った橋だけが良い橋だと思っていたけど、
今ではいい橋はいい橋だと思えるようになりました」
と伝える。
また、かつては同じ会社の信頼し合う上司と部下で描かれていた二人の対立する思考が描かれます。
面談の最後に狩山が話した言葉は「信じたことを後悔していない」という信念の言葉。
「僕はあなたの言葉を信じたんです。
会社を、社員の皆を救うためにうその証言をしました。愚かでした。
一人で8000人を背負える訳ないんです。
橋は一人では造れません。
誰よりも分かっていたはずなのに、そんな当たり前のことを忘れていました。
でも狩山玲子が、僕を僕でいさせてくれました。
あなたを信じたことは、後悔していません」
→ 狩山の言葉、深すぎます・・・。
「あなたを信じたことを後悔していない」とは、愚かであっても、ウソの証言をしたことや、
そこからの一連の出来事すべてを後悔していないということにつながります。
愛する妻の看病もできず、死に際にも会えなかったのに。
なぜでしょう。なぜそこまで後悔していないなんて言えるのでしょうか。
きっと、玲子が気づかせてくれた本当の自分で生きること。
そしてそう生きることにしたから、妻・玲子とも本気で向かい合い濃密な時間を過ごせたから。
もし偽りの自分で生きていたなら、逮捕されることもなかったけど、
玲子とも別れていた、もしくはこんなに本気で向かい合えず、お礼も言えず、
幸せを幸せとも感じられずの人生を送っていただろう。
本当の自分に出会え、そして玲子は、心のうちに今も居る。
後悔しない人生を歩むとは・・・との投げかけでしょうか。
そして、良い橋とは、のセリフも深まります。
橋の文字を、人生と入れ替えると、自分の選択した人生しか良いと思えなかったけど、
今こうして体験を通じて、皆のそれぞれに選択した人生も、良いものは良いと思えると・・・。
視聴者に投げかけられたテーマ
・誰かの犠牲の上に立つ正義。
・愛するとはなにか
・守るとはなにか
・正義とはなにか
・信念とはなにか
・働くとはなにか
・夢とはなにか
・信じるとはなにか
・後悔しない生き方とはなにか。
いかがでしょうか。
まとめ
妄想にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ビリーブは、こんなメモ羅列で表現できる作品ではありません。
まだまだ書き足りない、気づけていないところが多々あると思います。
今改めて感じているのは、
『Believe-君にかける橋-』
深い深い愛によって生み出された作品だと感じます。
最終回のあらすじから、
登場人物の描かれた状況と、描くことなく描いたと思われる背景
そして、番組提供者と脚本家の届けたかったであろう、視聴者への投げかけ。
湧いてくる作品への感謝と共に、妄想を書き出させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。